たとえ今の職場の環境に満足をして仕事にやりがいを持っていたとしても、不況などの煽りを受けて会社の方針転換にともない、仕事へのモチベーションが下がってしまい転職を考えるということはあり得ることなのです。
今回紹介する転職体験談は、自動車部品メーカーで働いておられてHさんの転職体験談です。Hさんの経歴を簡単に紹介すると…
Hさんは新卒で大手の自動車部品メーカーに就職をして、同じ会社で働き続けておられたのですが、会社の方針転換と転勤の辞令がきっかけとなって転職を考えます。34歳になって初めての転職を考えるのですが…
例え今の仕事が安定しているからと言っても、転職というのは他人事ではないのです。Hさんの場合は家族もある中34歳で転職を考えるということになったのですが、転職はスムーズに進んだのでしょうか?
では自動車部品メーカーから転職をしたHさんの転職体験談を紹介します。
現在36歳の既婚男性です。28歳の時に結婚し、今は妻と4歳の長男、1歳の長女と4人で暮らしています。
釣りが趣味で、休みの日には友人と遠出して釣りをし、とってきた魚を家族に振る舞うのが定番となっています。
4年大学を卒業後、日系自動車部品メーカーで12年間働き続けましたが、34歳の頃に現在勤務している外資系自動車部品メーカーに転職しました。
現在は、営業職として、自動車メーカー様から新規ビジネスを受注するための戦略立案、社内調整、営業活動を主な業務としております。
学生の頃から車が好きで、少しでも自動車に関わりのある仕事をと思い勤めてきましたが、今では車というよりはどう企画を動かすかや人との繋がりをどう活かすか等を考えること自体が仕事として好きになり、遣り甲斐を感じています。
自動車部品メーカーで職場環境も良かった。
転職前は現職と同じ業界である日系の自動車部品メーカーに新卒から12年間、勤務しておりました。12年間、営業本部に在籍しており、国内の営業所への後方支援、海外現地法人の営業支援、また国内の営業所での顧客対応もしておりました。
全国に支社のある大きい会社でしたので、会社自体の設備や制度などはしっかりと整っており、安定しているという部分も魅力でした。
職場の人間関係も良く、上司と部下の関係も今思えば親子のようで、仕事の話はもちろんその他の相談も乗ってくれるような関係性を築ける環境でした。
残業は毎日ということもなかったですが、週の半分くらいは3~4時間ほど残業をすることもありました。
ですが週休2日をしっかりもらえていたので、休みの際はしっかり体を休めることもでき、家族サービスもできる余裕もある、環境や待遇は比較的良い会社だったと思います。
会社の方針転換に合わず34歳で転職を決意
理由は複合的なのですが、大きな背景として、会社の方針が自身の志向に合わなくなってきたことがあります。
私は入社以来、営業部門の中でも新規顧客開拓を担当するグループに所属しておりましたが、リーマンショック以降、業績の低迷が続き、会社の方針が、売り上げの7割を占める主要顧客への経営資源集中というものにシフトしていきました。
それにより、私が担当している顧客からの依頼や引き合いを断ることが多くなり、社内の承認作業も時間と手間がかかるようになりました。
さらに、会社の業績低迷に連動し、今後の昇給の見通しも悪くなっていくことで、仕事へのモチベーションが徐々に低下していきました。
ですが、長年働いてきたということもあり、会社に愛着もありました。この会社でまだやり遂げられることはたくさんあるんじゃないかという気持ちもありましたし、人間関係の良さや育ててくれた上司への恩などを考えると、一度も転職を経験していない私としては、転職後に後悔することにならないかと日々自問自答しておりました。
そんな折、転勤の辞令があり、関東にある営業所から、関西にある本社への勤務を命令されました。当時すでに、家族と関東に住んでおり、家族は関西への転居に難色を示しておりました。
モチベーションが低下していたタイミングでの辞令であり、家族と別れて単身、本社に戻るくらいならば、家族のそばにいながら、やりがいのある仕事ができないか可能性を探ってみようと思い、転職活動をすることになりました。
妻は私の34歳での転職するという挑戦を応援してくれて、少しでも経験を増やすことで人生はもっと楽しくなる、と背中を押してくれました。
また、驚いたのが上司がすんなりと私の意見を尊重してくれたことです。長年自分のことを見てきてくれた親のような存在の上司だからこそ、私が将来に対して悩んでいたことも気づいていたのだと思います。
教えてきた仕事を最大限に活かして、次の職場でもっと成長してほしい、と言われた時は、少し泣きそうになってしまったことを覚えています。
転職活動はリクナビネクストを利用して
まず私が初めての転職で最初に実施したことは、業界大手のリクナビネクストにアカウントを作ったことです。転職経験がなかった私は、ひとまず、新卒時代にお世話になったという単純な理由で、リクルート社の転職活動者向けサイトのリクナビネクストに登録しました。そして、リクナビネクストの登録をきっかけに私の転職活動は本格化していきます。
リクナビネクストに登録したことをきっかけに、様々な転職エージェントからメールや電話でコンタクトがありました。そうして、各エージェントと電話、直接面談を重ねることで、私自身の強みや弱み、適正などがより明確になり、さらには、職務経歴書や履歴書の書き方、面接対策など、多岐にわたるサポートを受けることができました。
その結果、企業は30代の転職者に対して、即戦力であることを期待する、という前提をもとに、それを見込んでよりより条件をオファーしてくれるだろうということで、自動車業界をメインに転職活動を展開しました。
結果、自動車部品メーカーのみならず、外資系大手ECなどの異業種からも面談の申し入れを受けることができました。ひとえに転職エージェントのサポートを通して、自己分析がしっかりできていたことで、自身の価値をうまく訴求できたのだと思っています。
また、面接においても、職務経歴書の内容を何度も各エージェントにチェックしてもらい、面接練習もしたことで、書いてあること、面接で発言すること、質問への回答、質問したことに一貫性を持たせることができました。
転職前は新卒以来の面接にかなり不安を感じており、面接に慣れるのに時間がかかることを考えると、正直転職が決まるのはかなり先になるかもしれないと覚悟しておりました。
ですがエージェントのサポートがあったおかげで、不安要素が強かった面接も、自信を持って挑むことができました。
中には、意地悪な質問をしてくる会社もありましたが、オファーしてくれた会社や、次の面接に進んだ会社の面接は、軒並み良い反応を頂きましたし、会話も弾みました。また、面接を受けていくうちに、より自分の中でしっかりとした将来へのビジョンが定まっていくのを感じました。
転職活動をしなければ、ここまで突き詰めて自分の特性や何に一番遣り甲斐を感じているのかなど、考えずに過ごしてきただろうと考えると、今思えば転職活動が本当に良い経験だったと思っております。
そして、各社の面談の結果、自身の経験を活かし、給与も前職よりも良く、さらに家族と離れて住む必要もない条件を提示してくれた現在の会社に入社することを決めました。
転職活動の結果はどうっだのかまとめてみると、転職活動期間は約2ヶ月、面接を受けた会社数は10社程度です。このうち、最初にオファーのあった2社のうち、より、自身の希望する条件を提示してくれた会社に入社することになりました。
思っていたより転職活動期間が短く済み、当時は本当にほっとしました。長引けば長引くほど自分のモチベーションのことも考えると転職活動は難しくなっていくと考えていましたので、2ヶ月での転職はかなりベストな期間だったのではと思っております。
転職後は20代の頃よりも仕事への熱意が。
無事に転職をすることが出来て新しい会社での生活が始まりましたが、自身が前職でやりたくてもできなかった新規ビジネスの拡大に注力できており、かなり遣り甲斐を感じて働く毎日です。
正直なところ、前職に比べて残業も増え、たまにですが土日に仕事をすることもあり、以前ほど家族サービスもできなくなりました。
前職より責任のある仕事内容と立場を任されたことが理由ですが、大変ながらも日々成長を感じられる現在の環境に、仕事に対してかなり充実感を感じております。
趣味の釣りは以前より行く回数が減ってしまったことは少し寂しく思っていますが、まったく行けない、というわけでもなく、仕事で楽しめている分趣味ができないことにストレスもありません。
人間関係は、前職と違い部下の数が多く、自分と上司という関係より自分と部下との関係性が重要となっている状態ですので、難しい面は大きいです。部下にとって何が必要でどう指示するのがベストなのか、今一番頭を抱えている問題です。
ですが20代の頃よりも仕事に対する熱意や向上心が上がっていることに自分でも驚きながらも楽しんで働くことができております。
また、外資系企業ということで、同僚は日本人だけでなく多国籍、社内公用語は英語となったので、よりグローバルな環境で仕事をすることになり、さらなるキャリアアップにつながったと感じています。
前職で培った経験があってこそ、今の働き方ができていると思うので、転職という選択に全く後悔はありません。
前職と現職を比べてしまえばいろいろと良し悪しは出てきますが、一番大切なのは自分がどう仕事に向き合えるかだと思います。遣り甲斐を持って真摯に取り組める仕事でなければ自分自身成長することはできないし、会社自体も成長はできません。この職場で成長し続けることができるかどうか、転職するかしないかの判断はそれだけでいいと思います。
こんにちは。
こんにちわ。コメントありがとうございます。