商社マンと聞いて、どんなイメージを持ちますか?
「パリッとしてて仕事ができそう」
「エリートっぽい」
「給料もボーナスも良さそう」
みたいな、商社マンにはどこかしらエリートっていうイメージがありますよね。笑
たしかに商社マンはスケールの大きい仕事もあり、給料も一般的な企業に比べると良いというのは事実です。
しかし、得られる物が大きいだけではなく、仕事への責任感やプレッシャーも当然大きくなります。
そんな責任感やプレッシャーが原因で体を壊すというのも、珍しい話ではないです。
今回紹介する転職体験談は新卒で商社に就職し、憧れていた商社マンになった男性、川田さんー仮名ーの体験談なのですが、川田さんのプロフィールを簡単に紹介すると…
大学卒業後、憧れていた商社に新卒で入社。商社マンとして働くことにやりがいを感じ仕事をこなしていくのですが、年齢とともに任せられる仕事がどんどん増え、休日すらないような状況に。
それでも踏ん張って商社マンを続けるのですが、肉体的に限界がきて過労で入院してしまいます。
過労で入院したことが転機となって、新しい道へ進もうとするのですが…
商社マンと聞くと、エリート・給料が良さそうというイメージがありますが、その裏側ではプレッシャーや責任感も比例してともなっているのです。
商社マンになった川田さん、どんな転職を体験されたのでしょうか。
ちなみに…
今まさに商社に勤めていて商社から転職を考えている人におすすめの転職エージェントがこちらです。
⇒商社マンから転職を考えている人におすすめの転職エージェントがこちら
先に商社マンにおすすめの転職エージェントがどんな所なのかを見ておいていただくと、今回の川田さんが転職活動で失敗したポイントがわかりやすくなるはずです。
もくじ
エリートなイメージに惹かれて大卒で商社マンに
私は現在鉄鋼メーカーで働いている31歳のサラリーマンです。
大学卒業後、大手総合商社に入社し主に鉄鋼製品の営業として働いていました。
学生時代は就職活動を始める前から「商社で働きたい!」と思っていました。
しかし、強い使命感や商社でやりたい仕事があったというわけではありません。私が商社で働きたいと思っていたのは「商社マン」という職業が持つイメージに惹かれただけのことです。笑
私が学生で就職活動をしていた当時、商社で働くということに対してどんなイメージだったかというと、
- 年収が高い
- エリート
- モテる
といったイメージでした。
こうしたイメージもあってか、実際に私が就職活動をしていた時は、商社は就活生に人気でした。
私も商社マンという、エリートっぽい・年収が高い、というイメージに惹かれて商社に応募して採用されました。
商社に採用が決まって、大学の友人からは羨ましがられたのを今でも鮮明に覚えています。
商社でのスケールの大きい仕事に満足。しかし拘束時間は長く…
憧れていた商社マンになり、営業の仕事をしていました。
鉄鋼製品を扱う商社だったため、鉄鋼メーカーから材料を仕入れ加工を施し、自動車や家電、建設機会や配電盤などの製造メーカーに対しての販売営業が主な仕事です。
鉄鋼製品を扱っていただけに、取引先も大手企業や有名企業が多く、そんな企業と仕事が出来ていること自体が当初は嬉しかったのです。
また販売の仕事を一通り覚えた後には、運送や納品スケジュールの作成、クレーム品の対応や流通サポートなど、いくつもの業務を任されるようになりました。
地方勤務だったものの、当時の私の月の売上目標は1億5千万円といったところで、販売重量は1,200t(例えるとアフリカ象200頭分)と仕事自体の規模や金額も、20歳そこそこの自分にとってはかなりスケールの大きなものでした。
学生時代の私が思い描いていた、まさに「エリート」っぽい感じで、大学時代の友人と集まることがあると、
「今月の売上目標が厳しくてさぁ~♪」
とか、
「あの有名企業の部長がさ~」
みたいな感じで自分の仕事を自慢したりして、今にして思うと嫌なヤツでしたね~。笑
ただ、仕事のスケールが大きかった分、責任感も感じており、商社マンという仕事にやりがいを持っていたのは事実です。
年齢とともに任される仕事が増え…肉体的にも精神的にもパンク
商社マンとして仕事をしていく内に、任される仕事も急激に増えました。
というのも私が勤めていた商社では、営業マン一人当りの担当客数が50社近くになることがあったためです。
そのため業務時間のほとんどは客先に顔を出し続け、定時後に会社にもどることはザラでした。
そして会社に戻ってからが本業で、見積もりを出したり運送手配等、事務作業を行っていました。
また、鉄鋼関係ならではだと思うのですが、製造メーカーは工場毎に一般的なカレンダーとは違う独自のカレンダーがありました。
そのため、私の休日であっても製造工場は営業しており、休日も客先から1日中電話が鳴り止まないなんていうのも当たり前でした。
もちろん私が休日であっても電話に出ない訳にはいかず、それこそ急なクレームやトラブルが起こった時には、休日でも駆けつけるということも。
当時の私の勤務時間はというと…
平日は朝6時~夜22時まで仕事、それに休日もほとんど出勤していました。月あたりの残業時間は120時間を超えていました。
また商社ならではの接待も頻繁に行われていたため、就労時間以外でも仕事のために費やしていました。
給料面はというと…
それほど高給というわけではありませんでした。笑
当時の同年代の中小企業に勤めていた友人のおおよそ1.7倍ほど(年収にして650万ほど)でした。こうやって書くと「給料良いじゃん」なんて思われると思います。
しかし…中小企業に勤めていた友人の少なくとも倍は働いていたはずです。笑
商社マンをしていた一番忙しかった時期の私のワークライフバランスは完全に崩壊していました。
「商社マンとはこういうものだ!」
なんて踏ん張っていた時期もあったのですが…カッコ良く言うと精神的には戦っていたと思うのですが、肉体的には倒されていました。笑
ストレスやプレッシャーによるメンタルの限界よりも先に、過労で体調を崩して入院してしまったのです。
入院しないと商社マンには休みがない…商社マンから転職を
今にして思うと、この過労で入院した時が初めての長い休暇だったと思います。笑
それぐらい休みに何かをしていたという記憶が20代の頃は無いのです。悲しいことに。
私にとってはこの過労での入院が、人生で初めての入院した経験でした。
ケガや病気をした訳ではなく、働きすぎによる入院…悲しくなりますよね。笑
(商社マンには入院しないと休みがないのか…)
そんなことを思うと、退院して仕事に復帰することが嫌になっていたのです。学生時代に憧れていた商社マンという自分の仕事にも疑問を持つようになりました。
(商社マンになって働き過ぎて入院している自分を学生の自分が見たら…)
私が憧れていた商社マンはもっとカッコ良くてエリートで…笑
入院中に退院したら商社マンから転職することを決めました。
1ヶ月ほど入院して仕事に復帰したのですが、私はその後3ヶ月で辞表を提出し、転職活動に専念することにしました。
転職サイトを利用したものの、逆に自信を失ってしまった。
勤めていた商社に辞表を提出し、転職活動を始めた時の私の年齢は29歳で、あと1ヶ月で30歳ということもあり自分の中でも焦りがありました。
そのため退職をすると決めた当初は「退職したら数ヶ月はのんびりしよう」なんて思っていたのですが、年齢を考えるとのんびりなんてしてられません!笑
辞表を出してスグに転職活動を始めました。
転職サイトに登録したものの、職務経歴書の書き方が分からない…笑
転職活動を始めるにあたって、まずは転職サイトに登録をしました。
大学を卒業してから商社に勤めて約7年、転職するなんてことは思ってもいなかったので、転職サイトに登録をしたのはこの時が人生で初めてでした。
(入院にしろ転職サイトにしろ、初体験が多かったです。笑)
転職サイトに登録をして、サイト内にあった履歴書と職務経歴書を埋めていったのですが…
早くもこの時点で転職する自信を失いそうになったのです。笑
というのも職務経歴書を書いたことがなかったというのも1つの理由です。
それに、忙しさしかなかった商社マン時代、営業の仕事はしていたもののコレといって書ける資格などは一切持っていなかったのです。
それなりに職務経歴書を書いてはみたものの…薄っぺらい。笑
自分で読み返してみると、ただ長時間仕事をしていただけ。というような職務経歴書でした。
まず転職サイトでは、この職務経歴書のところで早くも自信を失いそうになりました。
転職サイトでは残業時間や休日出勤などの情報がわからない怖さが
先ほど書いたように、私は商社マン時代に残業や休日出勤が重なり、過労で倒れて入院した経験があります。
転職サイトに登録をする3ヶ月程前までは入院していたのです。
この過労で倒れた経験が、ちょっとしたトラウマになっていたのです。
転職サイトで企業の情報を見ると、勤務時間は書かれていることがほとんどです。
しかし月の残業時間であったり、もしもの時の休日出勤などについて書かれている企業が少なかったのです。
もちろん私に過労で倒れた経験がなければ、残業時間や休日出勤なんて気にしていなかったと思います。
でも当時の私からすると、
「もしかすると前職と同じように残業や休日出勤があるのでは?」
などと、企業情報の勤務時間を変に深読みしたりしていたのです。
残業や休日出勤が分からない怖さを感じていた私は、良いと思う求人があったとしても、応募するのに躊躇することもありました。
- 職務経歴書に自信がない。
- 書かれていない残業時間や休日出勤が気になる。
この2つのことがあって、転職サイトでは次の転職先を決めることができませんでした。
しかし、このままもうすぐ30歳になろうとしている社会人が、独りで悩んで転職活動に時間をかけているわけにはいきません。
(自分は転職に関しては素人だ。誰かに教えてもらう必要がある。)
と割り切って、転職エージェントに登録をして転職活動を仕切り直すことにしました。
転職エージェントがいれば心強い。おかげで転職活動が積極的に
転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーと会うことに。
事前に私の経歴と希望を伝えていたこともあり、私の担当をしてくれたキャリアアドバイザーは、商社や鉄鋼関係の知識が豊富な人でした。
私が希望する転職先としてキャリアアドバイザーに伝えたのは、
- 経験のある鉄鋼関係の仕事に就きたい。
- ワークライフバランスが取れる企業で働きたい。
- 残業や休日出勤が無いのであれば年収が下がったとしても構わない。
という3点でした。
今回の転職の目的として「ワークライフバランスの取れる仕事に就く」というのが自分なりのテーマでした。
それだけ商社マンだった時に過労で倒れたことが、精神的にもキツかったのです。
そのため正しいバランスで仕事をできるのであれば、多少の給料ダウンは構いませんでした。
キャリアアドバイザーと初めて会って3日もすると、早速私が希望する条件にあった鉄鋼関係の優良求人を紹介しれくれました。
また、紹介してくれた企業の詳しい内情や選考のコツなども教えてもらい、私が一番気になっていた残業時間や休日出勤に関しても、企業の担当者に確認を取っておいてくれたのです。
アドバイザーから紹介してもらった企業の中から数社ピックアップし、面接を受けることに。
この時もキャリアアドバイザーが企業と日程調整をしてくれたり、書類作成のコツを教えてくれたため、転職素人(笑)だった私でも、選考一本に集中することができました。
そして何より、転職に関する細かな不安もアドバイザーに相談することが出来たため「心強い」というのが私にとって一番安心できました。
転職活動を始めて3ヶ月。30歳になった私はキャリアアドバイザーのおかげもあって転職することができました。
もしあのまま、転職サイトを利用して自信のない転職活動をしたり、残業時間などを気にしたまま応募にためらっていたかと思うと、転職できなかったと思います。
私と同じように新卒で就職して、そのまま30歳手前になって初めて転職を経験する人も多いと思います。
仕事の経験や知識はあったとしても転職に関しては素人です。笑
変にプライドを持たず、転職のプロでもある転職エージェントに初めから頼るのが一番手っ取り早いです。
転職素人なのに、独りでいきなり転職活動をはじめる人は多い
今回の川田さんー仮名ーの転職活動を見て、どんな印象でしたか?
川田さんの場合、転職サイトを使って独りで転職活動ができる!と思っていたのですが、転職サイトでの転職活動は失敗していましたよね…。
ただ、この川田さんが転職サイトで失敗をしたケース、他人事ではないのです。
「十分に社会人経験があるから、転職なんて独りで余裕!」
なんて思っている人ほど、転職サイトから一人で転職活動をして失敗してしまう可能性が高いです。
なぜこのようなことが起こるかというと…
新卒で入った会社で30歳近くまで働き続け、「転職しよう!」となった場合、それなりに社会人経験を積んでいるがゆえに、転職に関しても変な自信を持ってしまうのです。
しかし、仕事への自信をもっていたとしても、転職に関しては素人ですよね?
新卒で入社した会社で30歳まで働き続けていたとすると、新卒の時から約7年~8年は履歴書を書いたり面接を受けたりしていないことになります。
約7~8年もの長い間、就職や転職に関してブランクがあると、もはや初めてに近いですよね。
その約7~8年の間に就職や転職事情は大きく変わっていることも十分考えられます。
なのに変な自信を持って「転職ぐらい一人でできる!」と考えて、いきなり転職サイトを使って転職活動をはじめる人が多いのです。
が…、
今回紹介した川田さんのように、書類の書き方であったり面接での受け答えをすることができず自信をなくし、時間を無駄にしてしまう人は本当に多いです。
そうならないためにも、新卒から同じ会社で働き続けてきた人は「転職に関しては素人だ。」と考えて、転職についてイチから学ぶつもりで転職サイトではなく転職エージェントを利用するのがベストです。
新卒の時依頼、履歴書や職務経歴書を書いたことがなかったり面接を受けたことが無い人こそ、まずは転職サイトではなく転職エージェントです。
⇒転職活動でこれまでの経歴を無駄にしないためにも「今までの経歴を活かしたい!」という人こそ、この転職エージェントを
転職エージェントに関しては▼こちらに30代の人にこそおすすめの転職エージェントをまとめているので参考にしてみてください。
採用担当が教える!おすすめ転職エージェントここがベスト
転職後はワークライフバランスを手に入れることができた!
商社マンから転職をして、私は現在大手鉄鋼メーカーの営業職として働いています。
商社マン時代の鉄鋼業界の知識と経験を評価してもらえたため、無事に転職することができました。
ものづくりの根幹から支えるメーカー営業への転職を熱望していた為、私にとっては理想の企業への転職になりました。
そして…
現在の会社では、労働環境が組合によってしっかり管理されているため、定時になると上司から
「これ以上は残業になるから早く帰るぞ。」
と言われ、月の残業時間は10時間にも満たない程です。もちろん休日出勤もありません。
入社した当時は理想の環境を手に入れたはずだったのに、定時に社員は全員帰るという光景に戸惑ってしまったのを覚えています。笑
そのため今ではプライベートの時間も増え、学生の頃の趣味だった写真撮影をカメラを買い直して没頭しています。
まさにワークライフバランスが整った、充実した社会人生活を送ることができています。
年収に関しては、商社マン時代に比べると下がりました。3~4割ダウンといったところです。
しかし、商社マンだった頃は付き合いによる出費や、ストレス発散したいがための無駄な出費もかなりあったため、実感として基本的な生活レベルはそれほど下がっていません。
収入が下がったということよりも、生活が充実しているということに喜びを感じています。
これは強がりで言ってる訳ではなく、私にとってはそれだけ充実した生活を送りたいという欲求が大きかったのです。
収入への不安から、商社マンだった頃の私と同じようにプライベートな時間をほとんど持たずに仕事をしている人も多いと思います。
しかしながら、その労働時間は本当にあなたの人生にとって必要な時間でしょうか?
自分が楽しむ時間を切り売りしてまで、ましてや体を壊してまで働き続ける必要は無いはずです。
今回の私の体験談で、商社で働いていた頃の私とおなじような境遇にいる人が、転職してワークライフバランスを見直すきっかけにでもなれば嬉しく思います。
コメントを残す