「仕事のことを考えたら、涙が出てとまらない。」
「通勤電車に乗ると引き返したくて泣いてしまう。」
「日曜の夜、明日が仕事だということを考えると怖くなる。」
これ、自分がこれまで勤めていた会社で部下や後輩から実際に聞いた言葉です。
もしあなたが、仕事のことを考えると泣いてしまったり涙が止まらない。そんな状況になっているのであれば…
上司や同僚に励まされたり「頑張ろうよ!」などと声をかけられたりしても、これまで自分が見てきた経験上一旦立ち止まって休職することがベストな選択です。
自分が現在勤めている会社、以前の会社にしても決してブラック企業だというわけではありませんでした。
しかし、
「泣いてしまう。」
「涙が勝手に出てくる。」
こんな状況になって3人の部下が退職しました。
以前にtwitterにも書いたのですが…
退職した何人かの部下を見てきて思うこと。
「明日も仕事…と思うと涙が出てくる」
「出勤する前や通勤電車でなぜか泣いてしまう」
この状態までくると、既に限界は超えてしまっている。
たとえ上司や同僚に励まされたとしても、しばらく休んだ方が良い。
息切れして少し休むのは恥じゃない。
— 倉石 モトキ@転職ホントのトコロ (@tenshock30) August 18, 2018
仕事のことを考えると泣いたり涙が止まらないという状況にあなたがもしなっているのであれば、
あなたの限界を超えてしまっている。
そう考えて、仕事を続けたり転職しようとするよりも、一旦立ち止まって休職もしくは退職をした方が良いです。
当サイトは転職について紹介しているサイトなのに、ナゼこんなことを書くのかというと、最近立て続けに同じような相談をされたからです。
そこで今回は、仕事のことについて考えると泣いてしまう、涙がでてしまうという状態になっている人に、自分がこれまで同じ状況になっていた部下を見てきて感じたことについて書いてみます。
先に言っておくと、
「泣くなんて甘えだ。」
「みんなそれでも頑張ってるんだから」
なんて言うつもりはありません。
あくまでも実際にあったことを紹介するのと、ちょっとしたアドバイスとして読んでいただければと思います。
もくじ
仕事がつらくて泣いてしまう。実際にあったケース
まず最初に、自分が直接相談を受けた2人のケースを先に紹介します。
仕事がつらくて泣いてしまったり涙が止まらないという場合、女性のケースが多いのですが自分が相談を受けた中には男性もいました。
女性と男性二人のケースを紹介します。
仕事に行こうと思っても涙が出てしまい、通勤電車でも泣いてしまい…
先に紹介するのは当時30歳だった女性ノゾミさん(仮名)のケースです。
ノゾミさんは自分の直接の部下ではなかったのですが、社内ではどちらかというとおとなしい感じの女性でした。
業務に関しても問題なくこなしており、遅刻したり休んだりということもほとんどありませんでした。
ただ、ある時に些細なミスをして同僚から注意されることがありました。注意といっても本当に口頭で「今後ないように」程度のものです。
その注意があった翌週の月曜日にノゾミさんから会社に電話があり「体調が悪いから休ませて欲しい」とのことでした。
「風邪でもひいたのかな?」という程度にしか思っていなかったのですが、その後2日間ノゾミさんは欠勤しました。
無断欠勤ではなく2日間とも会社に連絡があったので「風邪が長引いている」ぐらいの感じで思っていました。
木曜日にノゾミさんは出勤し金曜日も普通に仕事をしていた。
しかし翌週の月曜日ノゾミさんは出社していませんでした。
同僚が電話をしてみたのですが電話には出ず、昼過ぎになってようやくノゾミさんから連絡があり、
「今日は休ませて欲しい」
とのことでした。
その翌日の火曜日もノゾミさんは出社しておらず、また昼過ぎにノゾミさんから電話があり「体調が悪くて休ませて欲しい」とのことでした。
水曜日の昼過ぎにノゾミさんは遅刻して出社してきたのですが元気がなく、気になったので会議室で話を聞いてみると泣きながら、
「仕事に行こうと思うと涙が止まらず、吐き気もして行けませんでした。」
「今日も朝から家を出たのですが、通勤電車で泣いてしまって途中の駅で降りてこんな時間になりました…」
と打ち明けてくれました。
ノゾミさんの場合、お母さんと二人暮らしで生活の一部をノゾミさんが支えている状態だったので「なんとか復帰したい」と言っていたのですが…
その後も出社しようとすると泣いてしまったり涙が止まらないという状況が続き、休職ということになりました。
ノゾミさんは休職をした後に1年ほどしてから復帰するのですが、復帰までの経緯は後ほど詳しく紹介します。
仕事で評価されていないと思い込み、自信が無くなり出社できなくなり…
続いて紹介するのは当時29歳だった男性シンジさん(仮名)のケースです。
シンジさんは転職で入社をし2年目が終ることでした。
シンジさんの前職はブラックよりの会社だったこともあり、転職した1年目は活き活きと仕事をこなしてました。
営業の仕事をしており営業成績もそれなりに良く、上司や同僚からも好感もありました。また転職してきたにも関わらず後輩からも慕われていました。
当時は、1年に1回給料や昇進の査定があったのですが、成績が良かったシンジさんは転職1年目で無事に昇給ということになり、1年目は順調そのものでした。
しかし2年目、シンジさんに変化が起こります。
営業という仕事をしていれば、良い時も悪い時もあります。2年目のシンジさんの営業成績が振るわなかったのです。
1年目はあれほど調子が良かったのにも関わらず、営業に出ても契約が取れない日が続きました。
営業の場合は課全体のノルマで観ていたため、個人ノルマを重要視されていたり、営業成績が悪いから給料ダウンなんてことも無かったのですが、シンジさんは自信を失くしはじめます。
自信をなくし始めた最初の頃は、会社の飲み会などにも顔を出さなくなったりすることがありました。
次第に社内でも口数が減り、同僚や後輩と昼食に行っていたのが一人で行き始めるように。
後から直接本人に聞いて分かったことなのですが、ちょうどこの頃に父親を亡くしてしまっていたようでした。
そんなことも重なって、どんどんシンジさんは塞ぎこんでゆきました。
気にしていた同僚も励ましたり飲みに誘ったりしていたのですが、ダメでした…。
その後、次第に欠勤が目立つようになり本人から「退職したい。」との連絡が。
電話を受けた彼の直属の上司が「一度話をしよう」ということになり、話し合いの場が設けられました。
シンジくんの話を聞くと、仕事に対して完全に自信を失ってしまい、会社に行こうとすると足がすくみ行けない日が続いたとのこと。
さらに昼間には「みんな仕事をしているのに自分は何をしているんだ…」と泣いてしまう日も多々あったようです。
欠勤は続いたものの、営業の部署からすれば大切な仲間の一人。直属の上司はなんとか復帰させようと、ひつこく無い程度に電話やメールで励ましてみたものの、結果として退職することになりました。
それから数年後シンジくんと会う機会があったのですが、元気そうに仕事をしていてホッとしたのを覚えています。
1年ほど実家で休養したら色々とふっきることができ、再就職して頑張っていました。
自分の身近で起こった「仕事がつらくてないてしまう」実際のケースです。
ノゾミさんとシンジさんのケースを紹介しましたが、二人とももともと仕事はきちんとこなし、仕事に対しても真面目でした。
仕事もできていたはずなのに、仕事がつらくて泣いてしまったり出社できなくなってしまうということにもなるのです。
決してあなただけが仕事がつらくて泣いてしまったり涙がとまらなくなるのではありません。別の会社に勤める知人に聞いてもこのようなケースは多いです。
仕事に行けない…そんな状況になったら転職ではなく休職を
ただ仕事に行くだけ、たったそれだけのことができない。
自分はなんて情けないんだ…
もしかしたらあなたはそんな風に思われているかもしれません。
もちろん生活のためには仕事をしてお金を稼ぐ必要があるのはわかっています。
しかしそれでも、休職をしていったん体と心を落ち着かせることをすすめます。
単に思いつきで言ってるのではなく、仕事がつらくて泣いたり涙が出てしまう人を見てきたからこそ言ってます。
自分の経験上、1週間程度休んで自分をごまかしつつ復帰したとしても、また同じような状況になるケースが多いです。
むしろ以前よりもひどい状況になってしまう…なんてケースもありました。
仕事を無理に続けようとするよりも転職を考えるよりも、まず必要なのは休養です。
先ほどシンジくんのケースを紹介しましたが、彼が肉体的にも精神的にも少し落ち着いたと思えるまで約3ヶ月ほど必要だったとのことでした。
言ってみれば仕事がつらくて泣いてしまったり涙が出るという状況は、それぐらい限界だということなのです。
なので生活のために仕事をしないといけないのは重々承知していますが、まずは休職することを考えてみてください。
「仕事を休職したとして生活はどうすれば…」
と思われるかもしれませんが傷病手当を受け取るというのも一つの方法です。
退職ではなく休職をして傷病手当を受けるのも一つの選択
先ほど女性のノゾミさんのケースを紹介しましたが、ノゾミさんが休職してから復帰するまでの状況をここで詳しく紹介します。
ノゾミさんは欠勤が続き、やむなく休職ということになったのですが、傷病手当を受けつつ休職するということになりました。
傷病手当について簡単に紹介すると…
傷病手当とは、病気や怪我をして仕事を休業している時に受け取ることができる手当金のことです。
失業保険の場合、支給される期間は3ヶ月〜4ヶ月なのに対して、傷病手当の場合は1年6ヶ月支給されます。
ノゾミさんはこの傷病手当を受け取ることで休職中でも生活することができ、約1年間の休職を経て、仕事に無事復帰をすることができました。
この傷病手当の話が出た時、ノゾミさんは最初拒んでいました。
なぜ拒んでいたかというと、本人はすぐに復帰ができると思っていたため1週間も休めばどうにかなると思っていたためです。
しかし1週間休んでもどうにもならず、その結果ようやく傷病手当を受け入れました。
復帰したノゾミさんは「傷病手当のおかげで助かりました。」なんて言ってました。
「仕事に行けない…」
となると、退職や転職がまず頭に思い浮かぶ人も多いと思います。
しかし先ほど紹介したノゾミさんのように傷病手当を受けて休職し復帰する方法もあるということも選択肢の一つとしてあることを覚えておいてください。
無理をして続けるよりも、今後のためには休むことも必要
他の人は毎日仕事をしているから無理してでも続けないと…と思ってしまう人もいると思います。
しかしこれからも続く仕事のことを考えると一旦休むということも必要です。
繰り返しになりますが、仕事がつらくて泣いてしまったり涙が出るというのは、あなたの限界をすでに超えてしまっているからです。
そんな状態で無理して仕事を続けていても、客観的に考えると状況が良くなるなんて思わないですよね。
しかしそれでも本人は「少し休めば大丈夫」「ちょっとつらいだけだから」なんて無理をしようとします。
時には仕事で無理をすることも必要かもしれませんが、それはまた別の話です。
「休職をすると会社の人にどんな風に思われるか…」
これも実際に聞いた言葉なのですが、誰にでも仕事がつらくて泣いたり涙が出て仕事に行けなくなってしまう可能性はあるわけです。
仮にどんな風に言われていたとしても、あなたがこれまで頑張ってきたのは間違いないことなので。
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