今回紹介する転職体験談は、現在ハンドメイド作家として独立をして仕事をされている女性Oさんの転職体験談です。
Oさんの経歴を簡単に紹介をすると、
現在はハンドメイド作家をされているのですが、それまでにもいくつかの職種を経験されておられ、20代の頃はアパレルの販売員として、30代はジュエリーショップの販売員としてお仕事をされていました。会社の人員削減によりジュエリーショップの販売員から転職をすることになるのですが…
30代後半になってくるとなかなか未経験での転職が難しくなってくる年齢ですが、Oさんはどういった転職活動をして、ハンドメイド作家になることを決めたのでしょうか?
ではOさんの転職体験談を紹介してみますね。
1977年生まれ、まもなく39歳の独身女性です。
ハンドメイド作家として自宅で仕事を始め、数か月が経ちますが収入のほどはボチボチなレベルで現在のところは月に20万円ほどといった感じです。収入に不満がない、というわけではないですが、好きなことで仕事ができているので、それだけでも幸せなことかなと思う毎日です。
現在はハンドメイドだけを仕事にして生活をしているのですが、これまでにも何度か転職をした経験があり、私のこれまでの転職の体験談を書いてみようと思います。
初めて転職をする前にしていた仕事。
【一生ものだと信じていたけど…】
20代のころはずっとアパレルショップで販売員として働いていました。正社員を目指して働いていましたが、なかなかアパレルショップでの正社員雇用は難しいということもあって、長年アルバイト生活を送っていました。
31歳になったころ、このままアルバイトとして働き続けることに不安を覚えていた私は、接客業の経験を活かした正社員の仕事がないか、アパレルの仕事をしながら転職活動をはじめていました。
そんな中、知り合いから紹介されたのがジュエリーショップの販売員の仕事。宝石に関しては全く知識がなく、むしろ興味すら持っていなかった私ですが、長年の接客業のスキルが活かせると思ったし、今まで知らなかった知識を身に着けたいとも思っていたので不安はあったものの働いてみることにしました.
初めて正社員として雇用してもらえるということで、かなり張り切っていたのを覚えています。お店に置いてある商品の知識だけではなく、鉱石に関する本を買い集め、大学ノート2冊ほどを消費してジュエリーについての知識を高めました。
ジュエリーは思っていたより奥が深くて、使っている石や技巧など、覚えるべきことがたくさんありました。そういった専門知識がなくても、お客様対応ができないわけでもなかったのですが、知識があればお客様に対しての言葉に説得力が生まれるし、自分としても知識をつけることの面白みをだんだんと感じるようになっていきました。
ジュエリーショップから転職するきっかけ
【正社員だったのに…実績は幻に】
勉強の甲斐もあり、順調に成績をあげジュエリーショップで正社員として働き出して5年が経ちました。5年も経てばジュエリーに関してかなりの知識が身に付き、今まで興味のなかった分野でしたがお店への愛着も深まり、働くことに楽しさを感じるようになっていきました。
ところが状況が一変…。なんと、突然本社が「買収」されることに。買収後の新しい会社に再雇用の意思はあったのですが、用意されていたのは事務職。理由は「販売員の口は埋まっているから」とのことでした。
しかも、事務で働くとしても月収は今までの3割以上減らされ、さらに「パート扱いになるよ」と伝えられました。あまりのひどい扱いに、言葉がでませんでした。5年間、一生懸命働き、売上成績も伸ばしている中での通達にかなりショックを受け、しばらく眠れない日々が続きました。
そしてひと月ほど悩んだ末に、転職を決意。今思えば、販売員として長年勤めてきたというプライドを捨て切れないことも影響したと思います。
他店からの引き抜きの誘いもありましたが、車で片道2時間の距離にしり込みして断念。引き抜き先は魅力的で、かなり悩みましたが、持病のある両親を残して一人暮らしを始めることができないという私の生活状況もあり、諦めるしかありませんでした。
「ノルマが厳しいし、交通費も半分しか出ないからね」と逃げ道を作って自分を騙しました。でもその頃は、長年の接客スキルとジュエリーへの知識に自信があったので、転職先にさほど困るとは自分では思っていなかったのも事実です。
転職活動はハローワークでしたものの…
【私の市場価値って…ゼロ?】
そして開始した転職活動ですが、はじめはさほど不安に思っておらず、まぁいくつか応募したらそのうち決まるだろうとぼんやりと考えていました。
転職先は、努力して身に着けたジュエリーの知識と接客のスキルを活かしたいと思っていたので、ジュエリーショップを検討していました。近隣に何店舗かジュエリーショップがあったのですぐに問い合わせをしたのですが、どこも正社員の椅子が空いていない状態で空振り。
ジュエリーショップに固執せず、せめて接客業が活かせればと思い、アパレル関係でも探してみましたが、やはり昔と同じでアルバイトの募集ばかりでした。探していた時期が秋口で、ちょうど人事が動くころということもあり、タイミングの悪さも重なったようでした。
当初考えていたより、希望の職種での応募がそもそも少なく、なかなか見つからないので、結局ハローワークに通うことになったのですが、当時の「喪失感」は言葉にできないものです。頑張ってふた月ほどハローワークに通いましたが、紹介されるのはどれも希望とは反する事務職ばかり…思わず閉口しました。
しかも事務系は若い世代に持っていかれるので、応募したところで面接すら受けられず、最後には「職業訓練施設でフォークリフトの資格とか取ってみます?」なんて言われる始末でした。
とうとう就職活動中に失業保険が切れてしまったときは、精神的に疲れていたこともあり、とりあえずアルバイトをしてしのぐ日々を送りました。時給は最低ラインで3つの職場を掛け持ち。当たり前のように生活リズムは崩れ、不規則な生活の中で正社員への意欲もモチベーションも薄れていき、ほんとあの頃は自虐的になったのを覚えています。
しかし転機は突然に!またまた知り合いからの紹介で、天然石専門店への就職が決まったのです!ハローワークよりも「横のつながり」が役立つなんて、ちょっと皮肉ですね。実際に面接を受けた時は、店長もマネージャーもかなり年下でドン引きしましたけど、私の経歴を見て二つ返事で採用してくれたので、その日は仕事を紹介してくれた方や親しい友人と祝杯をあげました。久しぶりに酔いましたね、いろんな意味で。30代後半という年齢での転職がこんなに厳しいものと思っていなかったので、改めて働くということや、仕事がもらえることのありがたみを感じました。
30代女性が転職に成功するために!転職、ハンドメイド作家として活動
【今の時代「保証」なんてないのね】
運良く手に入れた専門職。しかも自分が長年勉強してきた知識とスキルを活かせるということもあり、やりがいは十分でした。もちろん辛いことも多々ありましたが、転職活動でなかなか就職が決まらなかった期間を経験しているので、「あぁ、働いてる!」って実感は素晴らしかったです。3年勤めさせていただきました。はい、「いただきました」です。
実はつい数か月前に会社の経営不振による人員削減のため退職することになったんです。俗に言う「リストラ」ですね。他にも人員削減のターゲットはいたようですが、やっぱり年齢がネックになったのかな?私がリストラの対象に選ばれてしまいました。
4月半ばにそれらしき話を受けて、「ゴールデンウイーク明けまでは頑張ってほしい」と言われました。3年前の、辛かった転職期間中に採用された喜びが昨日のことのように蘇ってきて、思わず涙ぐみましたよ。この仕事場で長く働こう、と決意して頑張ってきたのに…と思うと、一体積み重ねてきたものは何だったのか?と感じて本当につらい気持ちになりました。
ですが「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、綺麗に仕事をやり遂げて去りました。今後自分がしっかりと前向きに働けるように、堂々としていようと最後までしっかりと明るく働きました。そして、どうせなら長年努力して身に着けた知識をもっと深めてやろう!と決意。3年かけて身に着けた天然石の知識とセラピー法、そしてアクセサリー製造の技術を活かすべく独立することに!そして今に至ります。
自宅の2階には作業用工房を作りました。資金があるわけでもないので、工房は全てDIY。一人で作り上げたオリジナルの工房は、狭いですし手作りなのでよく見たら素人感あふれる作りになってしまっていますが、自分好みの雰囲気を作り上げた小さな城のようで、かなり気に入っています。
仕事内容としては、ネット通販とフリーマーケットへの出品。収入が安定している仕事ではないので、自分の頑張り次第で決まるというのは先行き不安な面もあります。ですが自分の一番落ち着く空間で自分が作りたいものを作るというのはかなり幸せなこと。好きなことを仕事にしている人は実はあんまりいないのでは?と思っているので、私は幸運ものなのかも、と最近では感じるようになりました。
一人での仕事は寂しいと感じることもありますし、収入が見込めるかどうか焦りを感じることも多いです。ですが、いろいろあったこの10年で、今が一番充実しています。
ネット販売となると直接お客様に話しかけるというわけにはいかないですが、メールでのやり取りなども気を遣うところで、そういう面では接客業のスキルは役に立っていると思います。たまたま出会ったジュエリーの仕事ですが、今こうして経験が活かせていることに、頑張った日々は無駄じゃなかったんだなぁと心から思える日々です。
両親を見守り、家事をこなしながら、犬にじゃれつかれながら仕事をする毎日が、私にはすごく合っている、と感じています。
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