「憧れてホテル業界に入ったものの、現実は違った…」
30代を機にホテル業界から転職を考える人は多いです。
ホテルマンから転職を考える理由は様々…と言いたいところですが、ホテル業界からの転職理由はいくつかのパターンに当てはまります。
どんな転職理由が多いかというと…
『働いている時間を考えると給料がかなり低い』
『年齢とともに体力が持たなくなる』
『ホテル内だけで仕事をしているためスキルアップやキャリアアップが望めない』
このように
ホテルマンからの転職理由
- 給料が低い
- 体力が持たない
- スキルアップできない
この3つパターンが転職理由となってホテル業界から30代を機に転職を考える人が多いです。
事実、私が元ホテルマンだった時に転職をしていった人もほとんどがこのパターンでした。
申し遅れました。
私は10年間和歌山の観光地にあるホテルで勤務し、マネジメントや管理する立場になり
「一生このホテルでホテルマンとして働く!」
と思い、勤務していたホテルのある観光地付近に勢いでマイホームを買ったものの、現在はホテルマンから転職してしまった(笑)横山と申します。
今回はホテル業界から転職することの実情について、10年間元ホテルマンだった私の体験談などを交えつつ『30代の転職ホントのトコロ』担当の倉石さんと共に、
今まさにホテル業界から転職しようと思っている人
に向けて、転職する時のアドバイスなどを書かせていただきますので、現在転職を考えているホテルマンの方は参考にしてみてください。
もくじ
ホテルマンから転職に悩んでいる人は他の業界にも目を向ける。
倉石
横山
倉石
横山
他の業界でも言えるかも知れませんが、ホテル業界で仕事をしていて転職しようとなった時に、同じホテル業界内で転職を繰り返す人は思っている以上に多いです。
ホテルマンとして業務に慣れていることもあり、同じ業界内であれば転職しやすいということはあるのですが…これが落とし穴になってしまうことがあるのです。
なぜホテル業界内での転職が落とし穴になるかというと、
同じホテル業界内で転職することによって、たしかに給料をアップさせることができます。
しかし2%〜5%程度のアップにしかならないことが多いです。
「今よりも条件はアップするから…」と考えて転職する人もいるのですが、長時間の勤務はそれほど変わりません。
新しいホテルに慣れてきた頃には、条件面がネックになりまたホテル業界内で転職を繰り返して…という事をしてる内に年齢が30代半ばになってしまい体力的にホテル業務がキツくなってしまう。
という悪循環になるケースが私のホテルマン時代の同僚にも何人もいました。
だからこそホテル業界から転職を考える時には、同じホテル業だけではなく他の業種への転職も視野に入れるべきです。
「ホテル業以外にできることがない…」
と思い込んでしまう人も多いのですが大丈夫です。
ホテルでの接客や業務というのは、お客様をおもてなしをするサービス業の仕事の中でもレベルの高い仕事。
ホテル以外の業種でも知識や経験が活きることは多々あります。
もし、あなたがホテル業界から転職を考えていて、ホテルや宿泊業以外のどんな職業に転職できるか知りたいのであれば、転職エージェントに相談してみるのも一つの手です。
⇒ホテルマンからどんな他業種へ転職できるのか?知りたい人におすすめの転職エージェントがこちら
倉石
横山
ホテルマンは自己PRすることがないから転職しにくい?
倉石
横山
倉石
横山
ホテルマンの人の場合、まずお客様へのサービスが主な仕事なのでコミュニケーション能力が一般的な職業の人よりも高いです。
それに接客業ということもあるので、お客様への対応力も高いです。
私の同僚には、そうしたホテルマンならではの接客力を活かして、有名企業のカスタマーサービスへ転職し、主任になっている人もいます。
他にも、ホテルマン時代の経験を活かして大手の旅行会社に転職した人、IT企業に転職した人など、ホテルマンからの転職先は本当に様々です。
そのため「ホテルマンだからスキルがなく自己PRできることもない…」なんて考える必要はありません。
むしろ、ちょっとしたスキルがあるだけの人よりも、コミュニケーション能力が高い人を採用したいと考えている企業は多いです。
もし、あなたが今まさに転職しようか悩んでいて
「ホテルマンからの転職先が思いつかない…」
なんて考えているのであれば、先ほど紹介した様に転職エージェントと転職先について相談してみては?
倉石
横山
倉石
30代でホテルマンから転職した体験談。転職先に選んだのは?
ここで、10年間ホテルマンとして働いた私の転職体験談を紹介してみたいと思います。
倉石
横山
倉石
横山
それではまず、ホテルマンだった私のプロフィールを簡単に紹介させていただくと…
観光地のホテルで10年間勤めていて、マイホームの35年ローンを組んでいて妻と娘さんがいる状況で転職をすることに。
ホテルで働き続けると思っていたYさんは、勤務先の観光地のホテル近くで家を買ったのですが、いざ転職するとなった時に観光地であるため転職先を探すことがなかなか難しく…
ホテルマンへの憧れがきっかけとなりホテルに就職
先ほど簡単に紹介しましたが、私は現在和歌山の観光地として知られている白浜に実母、妻、長女の3人で暮らしています。
現在は和歌山に住んでいるのですが、出身はもともと東京です。
まず私がホテルマンになった経緯を紹介すると…
ホテル特有の非日常的な雰囲気と、ホテルマンのパリッとした雰囲気に憧れた。
というのが私がホテルに就職したきっかけでした。
私はもともと新卒で広告代理店に就職したのですが、その後以前から興味があった新聞社に入社しました。
新聞社入社した時に出張がよくあり、ホテルを利用することがよくありました。その頃からホテルに宿泊するのが好きで、ホテルマンを見ては「パリッとしていてカッコいいな」なんて思っていました。
新聞社で働いていたものの人間関係が原因で2年ほどで退社することに。
若かったこともあるのですが、正直なところ仕事や世の中のことを甘く見ていた部分がありましたね。
新聞社を辞めて職探しをすることになるのですが、その時に思ったのが私も宿泊するのが好きだった「ホテル関係の仕事がしたい」ということでした。
ホテルの雰囲気が好きで、ホテルマンに憧れがあったこと。
それがきっかけとなり、その後全国展開するホテルに就職し、和歌山の白浜にあるホテルに赴任することになりました。
ホテルマンだった頃の仕事内容
ホテルに入社した頃はお客様のチェックインや部屋案内などのフロント業務がメインでした。
入社3年目あたりからはホテル内で行われる催し物やシーズンごとのイベント、結婚式などを取り仕切る責任者のようなポジションでした。
ホテルの人員が少なかったので、ホテルマンでありながら時には結婚式やイベントの司会をするということもありましたね。笑
その後、接客業務をしている部下のマネジメントやレストランマネージャーなどの管理職的なポジションになり、ホテルマンとしての現場からは少し離れた仕事がメインになりました。
もともと人と触れ合うということは好きだったので、マネジメントの仕事にも今まで以上にやりがいを感じて仕事をすることが出来ていました。
私が勤務していたホテルは、規模的には都会にあるホテルほど大きなものではなかったのですが、ホテルマン時代は仕事に誇りを持って仕事をしていました。
ホテルマンとして働いていたホテルが事業譲渡され…
ホテルマンの仕事は業務のほとんどが人と接すること。
難しさを感じつつもお客様とのふれ合いや部下のモチベーションを上げるにはどうすればいいのか?などを手探りながらも楽しみながら業務に励んでいました。
しかしそんなある日、私が勤めていたホテルの親会社が、ホテル事業の全てを外資系の金融会社に譲渡することに急遽決まったのです。
自分が働いている会社が譲渡されるなんて経験はもちろん初めてのことで、事業譲渡なんてテレビのニュースで見たことぐらいしかありませんでした。
現場にいる人間には一切何の前触れもなく本当に急なことだったのでビックリしたのを覚えています。
ホテル事業の社長・副社長をはじめ、上層部はすべて外資系金融会社から雇われた人たちに入れ替わり、私が勤務していたホテルの支配人も交代となりました。
人員の入れ替えだけでなく経営方針もこれまでとは違ようになり、宿泊客へのサービス内容や担当する業務も今までとは方針がガラッと変わったのです。
これまでに私たちホテルマンが行っていた業務などにも見直しが入り、お客様に接客をする時に大切にしていた事が認められなくなり、お客様のことよりも効率を求めることばかりを要求されることが悔しくて、事業譲渡後はホテルマンとしての仕事にやりがいを感じられない日々が続きました。
そして、私がホテルマンから転職するきっかけとなるある出来事が起こります。
ある時、部下の不手際による対応を巡り私が上層部と衝突をする事件がありました。
不手際と言っても些細なことだったのですが、あまりにも上層部の横柄な人を人として見ていないような態度に私が文句を言ってしまったのです。
始まりは些細なことだったものの、上層部と私との溝は埋まらず
「こんな状態ではホテルマンとして仕事を続けられない…」
それまで溜まっていたガマンが限界を超えてしまってホテルから退職をすることに。
今にして思えば、本来の私ならばこんなことで上層部と衝突をするなんて…というようなことです。
私自身がホテルの新しい環境に馴染むことができず、従業員に何の通達もなく事業を譲渡した無責任な前の親会社に腹が立っていたということもあり、イライラしていたんだと思います。
勢い余ってホテルから退職したものの、その頃はすでに結婚をしていて子供もおり私自身も34歳、35年ローンを組んだ家も建ててしまっていました。
上司からは何度か「戻って来ないか?」と連絡をいただいたのですが、10年続けたホテルマンから退職の道を選んだのです。
34歳の元ホテルマンが観光地で転職活動
ホテルを退職してからは、失業保険などのこともあってハローワークを中心に転職活動を始めました。
転職活動を始めたものの、前職と同じホテル業界に戻るということは全く考えていませんでした。
ハローワークだけでなく転職サイトにも登録して情報を閲覧していましたが、住んでいた地域が和歌山県の中でも観光地ということもあって、そもそも求人の募集件数が少なく、私が求める条件にあった転職先を見つける事はなかなかできませんでした。
ちなみに募集をしている案件で多かったのはみかんや梅を扱っている企業です。
和歌山は「みかん」と「梅」が全国的にも有名な産地なので関連する企業も多いのですが、ホテルマンだった頃よりも条件は良いとは言えませんでした。
3ヶ月ほどハローワークと転職サイトに掲載されている案件を、毎日のように繰り返し見ていたのですが、なかなか自分が思う条件にあった転職先が見つからず、建てたばかりの家を売って大阪か東京に戻って転職先を探すという案も、ふと頭によぎりました。
しかし転職活動中に妻と話しをしていく中で妻が…
「出来る事なら、のんびりとした今の和歌山の環境で子供を育てたい」
ということを聞かされ、和歌山県内で仕事を探す決心をしました。
私もできることなら今住んでいるところを離れたくないというのはありました。
家のローンの支払いもあり、失業保険もいつまでも続く訳ではなく、転職先を探すのには時間が限られていました。
しかし、転職先が見つからない…。
そんな状況が続いていた時、いつも家族で食べていた自宅から車で30分ほどの距離にある、梅の加工食品の会社が求人をしていることを知ったのです。
条件面ではホテルマンの頃よりは低くなるものの、その梅の加工食品の会社が販売する商品が好きだったこと。地元に根ざした企業だったこと。
そうしたことがあって応募をして面接を受けてみることにしました。
すると…無事に採用となり、ホテルマンから食品加工の会社に転職することになりました。
後から採用になった理由を面接をしていただいた上司に聞いてみると、私と同じ30代で他にも4人ほど応募者の方が居たようなのですが、営業も出来るような人材を求めていたようで、元ホテルマンで接客業出身の私が選ばれたようでした。
ホテルマンから食品加工会社に転職、その後は…
ホテルマンから梅を扱う食品加工会社に転職したわけですが、取引先の企業を回ったり和歌山の特産品展などにも参加したりと、忙しいなりにも充実した日々を過ごしています。
長らくホテルマンしか経験のなかった私ですが
「ホテルマン以外の仕事ができるのか?」
という不安はあったものの、ホテルマン時代の接客の経験が活きることもよくあります。
和歌山の地元でも梅を扱う仕事はキツイことで有名なのですが、それでも現在も続けられているのは、上司や同僚も仕事のキツさを知っていたので、転職したばかりの頃の私をちゃんとフォローしてくれていたからだと思います。
今では仕事だけではなくプライベートでもお世話になっていて、この上司や同僚がいなかったら、また転職をしていたかもしれないなと思う程です。
ホテルマンから転職する時に気にしていた給料面はどうなったかと言うと、転職をして2年目ぐらいでなんとか妻がパートに出なくても私の給料だけで生活が出来るようにはなりました。
ホテルマン時代と比べるとまだ給料は低いですが、今の仕事にも満足をすることが出来ています。
転職する時は生活ができるかどうかで頭が一杯だったので、給料のことばかりを気にしていたのですが、今の仕事に転職が決まって改めて一緒に働いている人間関係の大切さに気付かされました。
ホテルマンのときもそうだったのですが、給料や福利厚生というのも勿論大事なのですが、人間関係が良ければ少しくらいのキツイことなら乗り越えれると実感しています。
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