30代での転職となると、なかなか踏ん切りがつかないという方も多いかと思うのですが、今回紹介する転職体験談は、36歳で出版社からECサイトの運営に転職をされたKさんの転職体験談です。
Kさんのプロフィールを簡単に紹介すると…
Kさんは都内在住の現在38歳の男性で、結婚をされていて2歳のお子さんがおられます。転職された当時は36歳で娘さんも生まれたばかりという状況だったにも関わらず、出版社からECサイトの運営に転職を決意されました。
30代の中でも後半だった当時のKさん。しかも結婚をされていてお子さんも生まれてと、同じ状況であれば転職をためらう方も多いかと思うのですが、Kさんの転職活動や転職後はどういう感じだったのでしょうか?
それではKさんの転職体験談を紹介します。
転職前の出版社での仕事内容
私は現在38歳で都内に在住し、結婚をしており妻と娘(2歳)がいます。私が転職を経験したのは、約2年前で私が36歳の時でした。
現在の職場に転職をする前は教育系の出版社に勤務しており、WEB関係の部署にいました。教育系の出版社だったので、一般的な出版社とは少し違うのですが、小中学校で使用する教材やドリル、またペーパーテストなどの販売が主な業務内容になります。
そのためお客様も小説や漫画などを購入されるような一般的な方ではなく、主なお客様というのは全国の小中学校という感じです。小中学校の先生方に教材やドリルを購入していただけるように、営業は全国の小中学校を販売店とともに廻り、毎年4月には注文が殺到するという流れです。
一般の出版社のような取次店との付き合いはなく、旧態依然とした地道な営業スタイルで、実際に仕事をしてみて感じたのは「未だにこんな営業スタイルの会社があるんだな」ということでした。
私が転職前に所属をしていたWEB関係の部署も、自社商品の教材やドリルをネット販売するというのではなく、WEBで自社商品の簡易な説明や、また教材の付録のソフトのサポートなどが主な業務内容でした。
それと、教育系の出版社だということもあると思うのですが、営業職なども比較的年配の方が多く、パソコン関係の知識があまり無い方が多かったので、営業の資料作成や会議の議事録作成であったりパソコンの操作方法のサポートなど、社内のパソコンをしようする業務の何でも屋という感じで、あまり会社の売り上げの数字や結果というものも残らず、刺激のない毎日だったと今考えると思います。
出版社から転職しようと思ったきっかけ
そんな私が転職をしようと思ったきっかけになった事というのが、WEB関係部署の廃止でした。WEBで自社商品を販売したり宣伝をしているというワケではなく、WEB関係の部署が収益を産み出しているような部署ではなかったのです。あくまでもサポートでしかなかったので、存在感もなく、会社に貢献ができていないなという引け目はありました。
一方でもっとWEB上で自社商品を売っていく必要がある、実利に繋がるWEB上でのサービスを考えようという提案もあったのですが、部の予算がないためか却下されることばかりでした。
自分の企画力や提案力が足りなかったという事もあるのですが、「全て提案を却下しておいて、部署の廃止というのは納得がいかない」という不満や、やるせない気持ちがあったのも確かです。
WEBの部署の人間は私を含めて4名いましたが、派遣社員の1名は契約を打ち切り、課長は業務管理課へ異動、私ともう一人に一般社員が流通センターでの勤務という通達が来ました。
当時は私自身もWEB関係の仕事に魅力を感じており、流通センターでの勤務となるとWEB関係の仕事とは程遠いものになってしまうと感じて、私としては「自分のキャリアアップにつながらない仕事はこの歳では無理だ。」という気持ちが勝り、この時点で転職活動を決意するに至りました。
転職活動は転職エージェントをメインに
私自身、転職活動は2度目だったので、ある程度自分なりの転職のノウハウは持っていました。以前に転職活動をした時と同じように転職情報サイトで情報収集をするとともに、転職エージェントを利用し、効率的に職探しに繋げたいと考え、転職エージェントにも複数登録をしました。
私が所属していたWEB関係の部署は廃止が決まっていたのですが、廃止までには3ヶ月ほどの猶予があったため、その間に仕事をしながら転職先を決めたいという事もあったので、今回の転職は転職エージェントに頼ろうと決めていました。
というのも、以前に転職をした時も転職サイトよりも転職エージェントの方が良かったからというのもあります。
転職エージェントの良い所は、エージェントとの面談をして転職先の相談ができるので、自分の希望を細かく伝えられるところ、経歴や職歴と相手も詳しく聞いてくれるので紹介してくれる案件が自分の経歴とミスマッチしない点がまず挙げられます。
その他にも、一般の求人サイトでは公開されていない、限定求人案件を場合によっては紹介してもらえるので、有名企業や良い条件の仕事も見つけやすいです。他にも職務経歴書や履歴書のチェックもしてもらえますし、面接前にはその企業で聞かれることの傾向や対策を効くこともできます。
受け売りのような言葉ですが(笑)これが本当に前回の転職の時に良かったのです。
また転職活動は孤独になりがちなので、色々な不安を解消するために、相談に乗ってもらえることも、メンタルコントロールをするうえで非常に役立ちました。
正直なところ、転職を決めた時は私自身も36歳という事もあり、また娘も生まれたばかりだったので「将来に不安がなかったのか?」と言われれば、不安しかありませんでしたね(笑)特に何かスキルや資格があったワケでもなく、学歴や職歴なども言ってみれば普通そのものでした。そうった面でも家族以外に転職に関する不安をエージェントに相談できたのは大きかったですね。
私の場合はどこの会社でも生き抜けるスキルを身につけられる会社が良かったのと、WEBに興味を持っていたので、WEBの担当者としてECサイトの運営を任せてもらえる会社を希望しました。
ECサイトを起ち上げ、そして軌道に乗せられればこのご時世いろいろな会社で雇ってもらいやすいでしょうし、万が一の際に自分でビジネスを起ち上げることも不可能ではないと感じたからです。
そういったECサイトの責任者を求めている会社に絞って転職活動を行い、約1ヶ月半後に、面接を行った会社では5社目にして内定を勝ち取ることに成功しました。成功の理由としては転職の理由を後ろ向きなものではなく、「ネットビジネスで学びたいことがあり、そういったことを学べる風土がある会社なので、ぜひ御社に入りたいと感じました。」と述べたことが良かったのではないかと思っています。
そして内定から約1ヶ月後に新天地に入社し、現在もその時内定を頂いた会社で勤務しています。
転職後は希望通りECサイトの運営者に
幸いにも転職後は希望した通りに、EC関連事業部で幾つかのサイトの責任者を担当しております。扱っている商品は、主にスマホ関連のケースやアクセサリなどのグッズや、雑貨などで扱う商品ごとにECサイトを展開しています。
現在ECサイトで担当している業務は、集客策からサイト内部の導線の検討、またアナリティクスなどの分析ツールを用いての解析など、ECサイトの売上を改善する上で様々な方策を考え実行する立場になっています。
このまま経験を積み重ね、ゆくゆくは自分でも何かリアルビジネスを起ち上げられれば、とも考えています。会社に依存する生き方ではなく、自分が独り立ちする上で必要な知識や経験を会社にいながら勉強させていただいている感じですね。
条件面はというと、転職をした当時は転職前よりも給料が2万円ほど低くなってしまったのですが、1年過ぎた頃には前職と同水準の給料になっていました。
この給料面や条件面でも転職エージェントが、当時私が結婚をしていて娘が生まれてすぐだったこともあり担当者と交渉をしてくれました。
今振り返って考えてみると、36歳で全く経験のない業界に転職をして随分思い切ったなと思うのですが、もしあのまま会社に残って言われるがままに自分の興味がない仕事をしていたらと考えると、思い切って良かったなと思います。
両親からも子供が出来たばっかりで転職なんて…みたいなことを言われたこともあったのですが、結局のところ家族のためも自分のためにも仕事をするのは自分ですし、自分がしたいと思う仕事をしないことには、仕事が終わって家に帰ってもふてくされたような態度をとっていたかもしれません。
私の周りだけではなくて、年齢だけを大げさに気にしてしまって転職することをためらう人って結構多いと思うのですが、実際に自分が転職をして感じたのは、今の時代は年齢で転職をためらう必要はないんじゃないかなということです。
どうせなら仕事も自分が望んでいた仕事ができる方が、これから先の人生も充実できるに決まっていますよね。
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